2010.10.16 |
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応援したくなる人 |
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祇園の岩崎峰子さんの心に響く言葉より…
私たちがお客様にお目にかかって、
「この人、これから偉(えろ)ぉならはんにゃわ。絶対やし」
という予想はだいたい当たります。
一種の勘のようなものが働くのですが、
今思い返してみると、共通点があることに気づきました。
昇っていく人の共通点、それは一生懸命なこと、好奇心があること、
何にでも興味を持っていること、生活に美意識を持っていることです。
静かに座っていても、それぞれの方が独特の存在感を感じさせましたし、
人間として非常に魅力的なことでした。
仕事の他に趣味をお持ちの方は、若くてもお話にに深みがあって、私たちも勉強になりました。
でも基本的に「何にでも、一生懸命やなぁ」ということが伝わる方は
「うちらで、応援しょ」と思わせる何かがあるのです。
『祇園の教訓』幻冬舎
岩崎峰子さんは、わずか4歳で京都祇園の世界に入り、
厳しい稽古やいじめに耐え、芸を極めて祇園一の芸妓にまで上り詰めた女性だ。
岩崎さんは、「一生懸命な人には、自然に応援団がつく」という。
「まだ若くて荒削りだけれど、パワーがあり、将来、日本を背負って立つ人」
と、舞妓さんの中で噂される人だ。
一生懸命は本来、一所懸命と書く。
一所懸命は、一つ所(ところ)に命を懸けるということだが、
武士が先祖伝来の土地を命がけで守ったことに由来する。
仕事でも、スポーツでも、勉学でも、一所懸命に、
そのことに集中し、わき目も振らず頑張る人は魅力的だ。
同時に、好奇心があり、何にでも興味を持つ人は、
キラキラした子どものような感性を持っている。
過剰な美意識を持つ人は鼻持ちならないが、
知や情に裏打ちされた美意識は抑えがきいて美しい。
自分の専門以外に何か一つ別の世界を持つ人は、
深さと重みを感じさせ、人を惹(ひ)きつける。
思わず応援したくなる、一生懸命の人でありたい。 |
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