2010.10.13 |
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いいことは自然に広まる |
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小林正観氏の心に響く言葉より…
ある女性からCDをいただきました。
「ありがとうという言葉がたくさん入った詩が浮かんだので、
その詩に曲をつけ、自分でCDをつくりました。
このCDを広めたいので、もらってくださいますか」
私は、次のように答えました。
「いただいて聞くのはかまいませんが、広めたいというのは私の趣旨とは違います」
「ありがとう」という感謝の気持をもっているのなら、他人に要求するのをいっさいやめたほうがいい。
感謝することがいいことだとおもうのなら、自分がただ「ありがとう」をいい続けることです。
自分がいい歌をつくれてうれしいと思ったのなら、淡々と歌っていく。
「ああ、いい歌に出会って幸せ」と思って歌っているのなら、
聞いている人に幸せな気持や心地よさが伝わり、自然と広まっていきます。
『脱力のすすめ』イースト・プレス
自分が信じているもの、いいと思ったものを、やたらと人にすすめる人がいる。
しつこく勧誘し、相手を嫌な気持にする。
人になにかを強くすすめられると、負担に感じることが多い。
「なぜ、こんないいことをあなたはやらないの?」と責められている気分になるからだ。
ほんとうにいいものなら、その人自身が変わっているはず。
ダイエットに成功したその人のスリムな姿を見たからこそ、そのダイエット法を聞きたくなる。
政治でも、宗教でも、哲学でも、それをいくら自分が好きで、正しいと思っていても、
他人に押し付けてはいけない。
人に強くすすめているときは、視野が狭くなっているからだ。
妄信(もうしん)や狂信には、許しがない。
《桃李(とうり)もの言わざれども下(した)自(おの)ずから蹊(みち)を成す》(史記)
「桃やスモモは何もものを言わないが、それを目指して、その下には自然と道ができる」
魅力のある人、楽しそうな人のまわりには、自然に人が集まってくる。
無理に広めようとせずとも、よいことはおのずと広まる。 |
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