2010.10.12 |
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個性はにじみでるもの |
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アニメーション監督の今敏(こんさとし)氏の心に響く言葉より…
創作活動をする上では、個性が必要とよく言われる。
しかし、個性、個性っていわないほうがいいんじゃないかな。
個性が必要って、聞かせ続けられると、
個性は自分の中に必ず埋蔵されているものと思ってしまう。
個性を表現するって、表現すべき個性があるみたいに感じられてしまいます。
でも、個性っていうのは、表現する仕方にあると思うんですよ。
外に出すことによって初めて確認されることだと。
だから、目の前にあるものをまず始めてみようということです。
人から与えられたものでも、それに対して自分だったらこうやって関わるんだと
一生懸命やれば、開けていくことがたくさんある。
要するに動くことですよね。
動くことによって、何かが見えてくる。
ゴールを最初から設定する考え方は危ない。
ゴールっていうのは、進む中で設定されていくもので、事前に固まった地点ではない。
毎日目の前のあることに一生懸命関わっていけば、
決して悪いところにはたどりつかない気がするんですよ。
『仕事がもっと面白くなる プロ論』知的生き方文庫
アカデミー賞長編アニメ賞候補になるなど、世界的に注目されていた、アニメーション監督の今敏氏。
「今楽しくないものは、きっと来年も楽しくない。
楽しい仕事っていうのは、どこかに用意されているんじゃなくて、
自分で楽しくするものなんだ」と、今氏は語る。
今の仕事を、自分で楽しくできなければ、来年も再来年も、永遠に楽しくはならない。
他人がうらやましがるような素晴らしい仕事でも、自分が楽しいと思えば楽しいし、
つまらないと思えばつまらない。
楽しくするのは自分だからだ。
昨今は、個性を身につけたり、個性を引き出すことが大事だと言われる。
今までの画一的な教育は駄目で、これからは個性を育む教育だと叫ばれる。
人が行動すれば、どこかにその人のクセであったり、パターンであったり、
特有の痕跡(こんせき)は必ず残る。
行動し、動くからそのクセという個性は出てくるのだ。
個性はにじみ出てくるもので、無理やりに表現するものではない。
にじみ出たものだから、そこに味があり、それが魅力となる。
ゴールや目標を最初から決めると危ないのは、それを頭や観念で決めるからだ。
行動をともなわないゴール設定は、絵に描いた餅(もち)となる。
ゴールも個性と同じで、行動するから見えてくる。
まず動くこと、そうしたら新しい何かが見つかるはずだ。 |
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