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2010.9.18

裏も表も、清(せい)も濁(だく)も

会田雄次氏の心に響く言葉より…

戦後日本にアメリカ流民主主義の…いわゆる理想主義、
あるいは純粋主義、清潔主義などが持ち込まれた。

結構ずくめの意見がそれに基づいて続出している。
清潔、誠実でありさえすればいい、その主張が真面目でありさえすればいい…
という意見を政治家に対してさえいうようなことになった。

これは学者や教育者や技術者に対してと同じことである。
全然研究成果をあげない学者でも清潔だったらよいということになるだろうか。

人間というものはもう少し深く入れば複雑な考え方をするものである。

恋と哲学、本と酒とが共に暮らすなどというと、それは享楽(きょうらく)主義だ、反道徳だ、
インチキ学者の言い分だなどと言い出すだろう。
けれども人間の本質は、酒に酔っても本を読む能力もあるし、
あるいは恋愛することと哲学することも同時にできる。

いや、それどころではない。
酒にふけり、女性に魅力を感じることのできない堅物(かたぶつ)はおそらく人間を論じ、
人生を語る資格を持たないはずだ。

清潔そのもので、地位も望まず、お金儲けもせず、真面目によく働いて、
品行方正だというような人間は存在しない。

人生の裏を見ろということではない。
人間は汚い面だけで存在しているというのでもない。
人間はそういう面があり、それでこそ人生は楽しくも変化に富むものとなるのだということを知り、
それを見分ける知恵を持って欲しいということである。

『表の論理・裏の論理』角川文庫

現代は、建前(タテマエ)の多い時代だ。
特に、マスコミでの評論家や、コメンテーターの発言はタテマエが多い。

本音(ホンネ)を言ってしまうと、一部の狂信的な理想主義者や純粋主義者、
清潔主義者から叩(たた)かれてしまうからだ。
かくして、世論や、マスコミは、声の大きいタテマエ論主義者たちの意見に左右される。

「水清ければ魚棲(す)まず」 (後漢書)
「人至(いた)って賢ければ友なし 」(孔子家語)という言葉がある。

水はきれい過ぎると、却(かえ)って魚は棲まない。
人間もあまりに清廉すぎたり、理知的すぎると、他人から敬遠され、
人から親しまれない、という意味だ。

江戸中期の相良藩の藩主であり、老中にまで出世した田沼意次は、
賄賂にまみれたひどい政治家というイメージが強い。
しかし、田沼時代の経済は絶好調で、商業や貿易も盛んであったり、田沼は優れた改革者であった。

「白河の清きに魚のすみかねて もとの濁りの田沼こひしき 」

これは、松平定信(白河)の寛政の改革があまりにも厳しかったので、
昔の田沼の時代のほうが良かったと皮肉った狂歌だ。
松平は高潔で、倹約の精神を持ち、旧来の武士の価値観で政治を行ったが、
その結果、景気は冷えてしまった。

アメリカの歴史学者は、意次を「徳川の政治家の中で、第一等の人物」と評価しているくらいだ。

賄賂の政治がいいと言っている訳では決してない。
しかし、行き過ぎた理想主義や、純粋主義は、国を危うくする。
これは、国ばかりでなく、事業も、自分の人生においても言える。

裏も表も、清(せい)も濁(だく)も、知らなければ人生を語ることはできない。



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