2010.9.9 |
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上機嫌でいるコツ |
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明治大学教授の斎藤孝氏の心に響く言葉より…
気分というのは、通常社会的な状況や体調によって目まぐるしく変化します。
周囲に対し共感を持ったかと思うと敵対心を抱いてみたり、浮いてみたり沈んでみたり。
自分を鬱屈(うっくつ)させるもの、たれ込めた暗雲が、
ふっと晴れるようにするにはどうしたらよいか。
それがわかるだけで、爽快(そうかい)な気分、充実感を得ることができます。
さらにそれを「技化(わざか)」させれば、
気分に囚われない状態をいつでも創り出せるようになります。
上機嫌力は、訓練によって身につけるものです。
運動と同じで、訓練を続けると、上機嫌の筋力がついて、こころの稼動範囲が広がり、
上機嫌が生活に占める割合が増えるのです。
からだが冷え切った状態ですと、上機嫌にはなれません。
食事をとり、お風呂に入って、温まって気分がほぐれる。
これは、上機嫌のいわばインフラのようなものです。
温まったからだをしっかりと基盤として持つと、
外からの働きかけに対し、柔軟に対応することができます。
不機嫌なからだは淀(よど)んでいます。
それが一番はっきりでるのが、上半身でいえば、
鳩尾(みぞおち)、肩甲骨(けんこうこつ)、首です。
肩甲骨、首が硬くなってくると、だんだん笑えなくなり、
気むずかしい顔になって、不機嫌そうに見えてくる。
先日テレビの番組に出演したのですが、パックンこと、
パトリック・ハーランさんの上機嫌ぶりには感動しました。
アメリカの出身で、日本でお笑いをやっているパックンは、
会話にからだが入っていて、肩甲骨回りや腕を実によく動かしながら、
笑いを交えて場を進めていきます。
日本人がこれをやると、落ち着きがないといわれますが、
私は基本的には、肩甲骨を動かすことは許されるべきと考えます。
日本人の場合は、欧米人に比べると胸を張っていませんので、肩甲骨が落ちています。
肩こり状態です。
そのために、呼吸が浅い。
肩甲骨を少し張るだけで、肩こりが少なくなり息がしやすくなるのです。
私は、上機嫌力は実は簡単なことだと思うのです。
肩甲骨をほぐして中身を揺さぶる。
そして、上機嫌モードに切り替え、上機嫌なからだにしていく、それだけだと思います。
『上機嫌の作法』角川oneテーマ21
いつも上機嫌でいたいと願っていても、
時として不機嫌になったり、無愛想になってしまうことはある。
しかし、上機嫌や不機嫌が、自分の体の状態からきているとの指摘には、
かなりの新鮮な驚きがあった。
英語をしゃべる人は、身振り手振りが大きい。
そして、アメリカ人のイメージとしても、上機嫌な人が多い。
日本には体に関するものがたくさんあるが、
首や肩や腕などに関連した言葉には、気分を表す言葉も多い。
例えば、「首が回らない」、「首にする」、「首をかしげる」、「首が飛ぶ」、「首を突っ込むな」
「肩を並べる」、「肩で息をする」、「肩を持つ」、「肩で風を切る」、「肩の荷がおりる」、「肩を怒らす」
「腕がなる」、「腕をふるう」、「腕に覚えがある」、「腕によりをかける」
首の言語は概して不機嫌で、肩は調子をあらわし、腕は上機嫌だ。
体をゆるめ、緊張を解くことは、スポーツや武道では、大きな力を発揮する。
あのイチロー選手のしなやかさが、そのいい例だ。
機嫌をよくするには、まず体をゆるめ、力を抜くこと。
そういえば、落語家が高座に上がっているとき、肩を怒らせているのを見た事がない。
身振り手振りを多くし、肩のちからを抜くことは、上機嫌でいるコツだ。 |
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