2010.9.5 |
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統率者の三つの条件 |
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行徳哲男師の心に響く言葉より…
本物のリーダーというのはどんな人をいうのか。
『人間回復の経営学』の著者であるベルギー大学のジョセフ・バジールは、
統率者の条件を三つあげています。
一つは、仕事の知識があり技術を習得していること。
でも、これは百のうち25%もあればいいというんです。
100%習熟していなくたって人の上に立てるぞ、と。
それから、二番目に挙げたのが行動する力です。
ただし、闇雲(やみくも)な行動では人を動かす力にはならない。
創造的な行動力が人を動かすと言っています。
しかし、バジールはこれも25%にすぎないという。
では、残りの50%を占めるリーダーの条件とは何か。
それは感性を高揚させることができることなんです。
人の悲しみを自分の悲しみとして感じ、
自分の喜びを人の喜びとして感じ取らせる情の強さが必要だと。
これは鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの墓石に刻まれた言葉が象徴的ですよ。
「己より優れた部下を持ち、共に働ける技を知れる者、ここに眠る」
これは、指導者の条件を示す最高の教えでしょう。
感性の鈍い人間には人の上に立つ資格はないということです。
『月刊致知』2010年10月号「経営者よ、野生のエネルギーを取り戻せ」より
仕事を遂行するのに、知識や技術、そして行動力は必要だ。
しかし、リーダーにとって、それらは、全体の半分しかいらないという。
確かに、新事業を次々と成功させる名経営者が、
新しい分野の技術を隅から隅まで、すべて知っていることはない。
また、部下の先頭に立つ行動力こそが、リーダーの条件と思ってしまうが、
病弱で現場に出れないことも多かった松下幸之助翁は、
「自分は病弱だったから、すべて人に任せた」と語ったという。
リーダーに必要な条件の、残りの50%は感性だという。
人の痛みを自分の痛みとして感じることができるのが情の力だ。
感性が磨耗(まもう)してしまった人は、感じることが鈍くなっている。
知や論理に偏(かたよ)りすぎると情は弱まる。
リーダーには感動と涙が必要だ。 |
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