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2010.8.19

他人を見下す若者たち

心理学者の速水敏彦氏の心に響く言葉より…

現代の日本人は自由な社会を当たり前のこととして
誰も彼もが横行闊歩(おうこうかっぽ)しているように見える。

その自由さは利己主義を強め、「ジコチュウ」という言葉も生まれた。
これが高じれば、人は自分の立場ばかりを見て、他人の立場を見なくなる。
つまり、以前に比べて人々は他人を見下し、
他者軽視、軽蔑をいとも簡単にするようになる。

ITメディアの影響を受けた人たちがいつのまにか身につけた
仮想的有能感とでも呼ぶべきものがある。

これは、他者軽視をする行動や認知に伴って、瞬時に本人が感じる
「自分は他人に比べてエライ、有能だ」という習慣的な感覚である。

現代人は自分の体面を保つために、周囲の見知らぬ他者の能力や実力を、
いとも簡単に否定する。
世間の連中はつまらない奴らだ、とるに足らぬ奴らだという感覚を
いつのまにか自分の身に染み込ませているように思われる。

例えば、ホームレスを社会のゴミとして見なして攻撃した若者たち。
自分以外はみんなバカだと思う現代人。
自分の失敗を認めず、他人のせいにする行動。
謝らない子どもや親。

彼らはすべて、外面的には横柄な態度や行動を示す。
彼らに共通しているのは他者との親密な人間関係が形成されておらず
他者を軽視していることである。

そうすることで、偽りのプライド、すなわち仮想的有能感を抱いて行動する。
それは、人は誰も常に優れた存在でいたい、
人から認められる存在でありたいと思っているためでもある。

『他人を見下す若者たち』講談社現代新書

昨今は、様々なところで、「他人を見下す若者たち」を見ることがある。

例えば、コンビニ周辺で座り込んで通行の邪魔になっても平然としている若者たち。
飲食店や居酒屋で、自分の倍くらいの年齢の店員に対して、頭ごなしに怒る若者たち。

速水氏は、これらの若者の感情を、「仮想的有能感」と言っているが、
これを断ち切る方法は三つある、という。

それは、「しつけの回復」、「自尊感情を強化する」、「感情を交流できる場を!」だ。

「しつけの回復」とは、「国家の品格」でも紹介された、
会津藩の子弟の教育の掟(おきて)の中に詳しい。
それは、「ならぬことはならぬもの」という、「ダメなものはダメ」という問答無用のしつけのこと。
これを「什(じゅう)の掟」というが、この中には、年長者を敬うことや、
嘘をつかない、卑怯な振る舞いをしない、弱いものをいじめない、等がある。

「自尊感情を強化する」とは、あなたは「大切な人」、「必要な人」という、メッセージを送ること。
これをストロークというが、相手の存在を認める言葉をかけることや、
ハグするというような身体的な働きかけをすることがある。

「感情を交流できる場を!」とは、さまざまな場でのコミュニケーションを増やすこと。

この「仮想的有能感」は、若者たちだけでなく、
やっかいなことに、年配の人の間にも蔓延しつつある感情だ。

我々は、他人を見下すのではなく、人を敬い、謙虚であり続けたい。



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