2010.7.16 |
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| 使ってこそ生かされる |
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百瀬昭次（ももせ あきつぐ）氏の心に響く言葉より…
けちん坊（ぼう）の人がいて、自分の持っている物を全部金にとりかえ、
その金塊（きんかい）を壁の下に埋めてかくしておきました。
そして時どき掘りだしては独（ひと）りよろこんでいました。
ところがこれを見た近所の人が、けちん坊の留守に、その金塊を盗んでしまったのです。
そんなこととは知らないけちん坊が帰ってきて、いつものように壁の下を掘ってみると、
すっかり空っぽになっていました。
おどろいたけちん坊は髪をふり乱し、狂気のように泣きわめきました。
そこで、近所の人がけちん坊をなぐさめて言いました。
……そんなに悲しみなさるな。
石を拾ってきて同じところに埋めなさい。
金が埋まっていると思えば、それでいいでしょう。
あなたは金があった時でも、それを使わなかったのだから。
（イソップ物語）
どんなに秀（すぐ）れた物を持っていても、
それを使わなければ何の役にも立たないということを、わたしたちに教えている物語です。
わたしたち人間が生きていく上に必要な基本的知識は、
遠いギリシャの時代から今日までの間に出尽くしているが、
それらはまだ生活の知恵として十分生かされていないものが多い。
その真理の重要性を再認識することが必要です。
そしてそれを実生活に活用していくことです。
『君たちは偉大だ』偕成社
どんなにたくさんお金を持っていようと、それを使わなければ無いのと一緒だ。
これは、商売においても同じことが言える。
どんなに画期的で、優れた新商品を開発しようと、
その商品の良さや存在を知らせることができなかったら、それは一つも売れない。
つまり、無いのと一緒。
伝わらなければ、この世には存在しないのと同じことになってしまう。
「死蔵」という言葉があるが、どんなに素晴らしい名画や彫刻でも、
蔵にしまってあるだけでは、すなわち、「死蔵」だ。
多くの人に見てもらい、感動を与えてこそ、その名画は生きているといえる。
すぐれた技術も、アイデアも、知識も、使ってこそ生かされる。
知っているだけでは、何も生まれない。
どんなよいことを聞いても、実行しなければ聞かなかったのと同じこと。
すべては、使ってこそ生かされる。 |
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