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2010.7.11

一瞬一瞬に生きがいを見つける

心理学博士のウエイン・W・ダイアー氏の心に響く言葉より…

「イワン・デニーソビッチの一日」という小説の中で、アレクサンドル・ソルジェニーツィンは、
シベリアの強制収容所の生活を紹介している。

この小説はイワン・デニーソビッチ・シューホフの一日を語ったもので、
凍てつく荒野のキャンプにおける生存者の赤裸々な姿と、
彼らを襲った人間の理解を超えた残虐性に満ちた物語である.。

だが、シューホフの姿勢は、最悪な環境のもとにおいても
クリエイティブでしかも活気を維持できる、ということを示してくれる。
この小説はこう締めくくられているのだ。

シューホフは満足しきって眠りについた。
その日は思いがけず幸運なことがいろいろあった。
独房には入れられなかったし、彼の班は例の開拓地に送られなかったし、
夕食の雑炊を一杯かっぱらったし、班長は都合のよいレートを決めたし、
壁造りはけっこう楽しかったし、弓鋸(ゆみのこ)の刃をくすねたし、
夜にはツェーザーからおすそわけをもらったし、タバコも買えた。
それに、ひどい病気にならずに済んだ。
幸せな一日だった。

家畜同然の労働を強いられる収容所において生き残れるか否かは、
一瞬一瞬にできるだけの生きがいをみつけるかどうかによるのである。

劣悪な体験を批判することでも、罪を悔いて罰に甘んじたり、
簡単にあきらめてしまうことでもなく、むしろ、
クリエイティブで活気あふれる姿勢を持って現実に立ち向かうことが大切なのである。

『どう生きるか、自分の人生!』三笠書房

牢獄であれ、収容所であれ、劣悪で悲惨な環境においては、
クリエイティブで活気を維持できた人だけしか、生き延びることはできなかった。

これは、日常生活でも同じことがいえる。
小さなことに喜びを見出すことができるのか、不平不満ばかりを見つけるのか。
どんな状況にあっても、そこに何らかの生きがいを見つけ、楽しむことができる人は、
実社会でも生き残ることができる。

不利な状況を良いように、良いようにと変えてゆく。
それには、クリエイティブな柔軟性が必要だ。

事実は一つでも、物の見方、感じ方は人によって違う。
ある人は、天国と感じ、ある人は地獄と感じる。

どうせ同じ生きるなら、たとえどんな悲惨で、苦しい体験をしたとしても、
「でも、幸せだった」、「しかし、幸福だった」、と感じられる生き方がしてみたい。

一瞬一瞬に生きがいを見つけられる生き方ができたら最高だ。



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