2010.5.22 |
|
よき友三つあり |
|
作家の江坂彰氏の心に響く言葉より…
よき友三つあり。
一つには、物くるる友。
二つには医師(くすし)。
三つには、知恵ある友。
(徒然草 第百十七段)
《物くるる友》
今はモノ余りの世の中。
だから「物くるる友」をちょっと拡大解釈させていただいて、
情報をくれる友、職や仕事をくれる友、一緒に遊んでくれる友なども、
その範疇(はんちゅう)と考えていいだろう。
《医師》
身近に良心的な医師がいると、何かと心強い。
われわれは医者に、単に病気の治療を求めているのではない。
病気の不安を訴えたいのである。
《知恵ある友》
知恵ある友は、ま、たとえば経営者にとって『論語』のようなもの。
『論語』は経営に直接役立たないが経営者は何をすべきでないかを、
きちんと教えてくれる。
知恵ある友がいると、人生を大きく踏み外すことがない。
兼好は、自分に欠けたものを持っている人を「知恵ある人」といった。
『わが座右の「徒然草」』PHP文庫
《物くるる友》
吉田兼好は、よき友の条件の一番最初に「物くるる友」をあげた。
当時の大知識人である兼好法師が、
最初に「物」とは、何か物欲のかたまりのようで、少し当惑する。
しかし、本音で言えば、物やお金をくれる人は、一番ありがたい人だ。
物も金もなければ生きていけない。
同様に、情報をくれる友も同じだ。
誕生日にも、相手に贈るのは結局はプレゼントという物だ。
物を贈らずにサプライズの仕掛けをしたとしても、
それにはお金や時間がかかっている。
これも、物を贈ったと同じこと。
何でも、もらったらうれしい。
《医師》
身近に、親しい医者なり、
信頼できる鍼灸や指圧の先生がいることは何にもまして心強い。
ある程度健康なうちに、相談ができるからだ。
また、鍼灸や指圧で、定期的に身体をケアすることは病気を予防できる。
定期的な身体のメンテナンスは、
一見すると膨大な時間とお金がかかってしまうようだが、
病気になって入院したり、取り返しのつかないことになることを考えれば、
いかにこれが重要なことかわかる。
東洋医学でいう「未病(みびょう)を治す」という考え方だ。
未病を治すとは、病気になる前にその原因を取り除くこと。
《知恵ある友》
知恵ある友は、自分の足りないところを補ってくれる知恵袋のような人。
それは、師であり、コンサルタントであり、その道のエキスパート。
たとえ、年下であろうと、自分の知らないことを教えてくれる人は知恵ある友だ。 |
|
|