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2010.5.5

人生で一番大切なこと、それは恕

致知出版の藤尾秀昭社長の心に響く言葉より…

元京都大学総長の故平澤興さんは、論語の一節がお好きだったようで、
著作や講演によく引用されている。
以下、平澤さんの解釈に従う。

子貢(しこう)は聞いた。
「先生、たった一語で、一生それを守っておれば間違いのない人生が送れる、
そういう言葉がありますか」

孔子は、
「それは、恕(じょ)かな(其恕可)」と答える。

孔子が「恕なり(其恕也)」と断定せず、「恕か」と曖昧(あいまい)に答えたところに、
なんとも味わい深い孔子の人柄を感じる、と平澤さんは述べておられる。

自分がされたくないことは人にはしてはならない、それが恕だ、と孔子は説いた。
つまりは思いやりということである。
他を受け容れ、認め、許し、その気持を思いやる。
自分のことと同じように人のことを考える。
そのことこそ、人生で一番大切なことだと孔子は教えたのである。

『小さな人生論 2』致知出版

孔子先生は、人生で一番大切なことは、「恕」ではないかな、と言った。
色々大切なものがある中で、選んだすえの言葉だ。

思いやりがある人は、他人の立場に立つことできる人だ。
他人の痛みや、苦しみ、喜びを自分のことのように感じることができる人。

他人の立場に立つことができる人は、自己肯定ができる人だ。
「私ってすごい」とか、「俺っていけてる」と、
いくら自分だけで思っても自己肯定にはならない。

自己肯定とは…
誰かの役に立っていると、思えること。
自分は誰かに愛されている、と思えること。
自分を大事に思ってくれる人がいること。
自分を必要としてくれるところがあること。

自己肯定は、他者からの肯定でもあるのだ。
自己肯定ができなければ、人を受け入れることも、
認めることも、許すこともできないし、人を思いやる余裕も持てない。

人の役に立つこと、人の喜びのために懸命に働くことを続ければ、
誰かに認められ、必要とされる人となる。
それが、自己肯定への早道。

人生で一番大切な、「思いやりの心」を育てたい。



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