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2010.4.1

深山(みやま)の桜

致知出版の藤尾社長の心に響く言葉より…

この時期になると、藤尾氏の「深山(みやま)の桜」の話を思い出す。

深山の桜は、土手や公園に咲いている桜ではない。
深い山奥に咲く桜だ。

その桜木は最初は小さく、だれも気づく人はいない。

何年か、そして何十年かが過ぎ、
やがて人々は少しずつ、その桜木に気づくようになる。
その見事な桜花にも。

すると、その桜を一目見ようと、そこに少しずつ人が集まる。

初めの頃は、そこに道はない。
それが、年を追うごとにだんだんと、細い道となる。
評判が評判を呼び、多くの人が押しかけ、道はどんどん太くなり、
ついには、まわりに茶店ができ、家もたつ。

桜は、圧倒的な魅力があるが、決してそれをひけらかさない。
自分からアピールすることもない。
奢(おご)ることもない。
ただ淡々と咲いては散るだけだ。

以前、友人の銀行の支店長が、
しみじみ言っていたことがある。

取引先の中で、あまり信用できない社長は、
「自分は○○さんをよく知っている」
「誰々さんとは友人だ」
「○○なんかたいした事ない」
等々、聞きもしなのに、やたら人のことを言う人だそうだ。

誰かの権威を借りて、
自分があたかも上等な人であるかのように見せる人。

私は、他の人よりすごい人を知っている。
だから、自分は偉い人間だ…

本当に魅力ある人間なら、黙っていても
自然とその人のまわりに人は集まる。

奥ゆかしく、物言わず、真に実力がある人…
そんな、深山の桜のような人でありたい。



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