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2010.3.30

教育には、余韻(よいん)が必要

柳平彬(やなぎだいらさかん)氏の心に響く言葉より…

ソ連の心理学者ブルーマ・ゼイガニック教授は次のような実験をした。

百三十八人の子供たちにパズル、暗算、粘土細工などを次々にやらせ、
そのうちの半分については作業を途中でやめさせ、
残りの半分は最後までやり遂げさせたのである。
一時間後、子供たちにどんなことをやったかを言わせてみた。

すると、中断した作業の方をより多く覚えていた子供が百十人、
やり遂げたものを多く覚えていた子供が十七人、
どちらも同じ数だけ覚えていた子供が十一人だった。

なぜそうなのか、ゼイガニック教授は
「やり遂げた仕事については、
それをやってみようという動機が満足させられたため、
忘れてしまう傾向がある。
一方やり残したことは、その作業に対する気持ちの傾向が
維持しているので記憶に残る」と説明する。
心理学ではこれを「ゼイガニック効果」と読ん呼んでいる。

日本では松下村塾の吉田松陰が、ゼイガニック効果を使った形跡がある。
彼は塾生をいくつかの班にに分けて、
今でいうグループディスカッション方式の学習をした。

そこで吉田松陰はテーマを与え、討議結果を発表させると、
また次のテーマを与えるという方法で先に進んだ。
彼は決して正解を出さず、討議は結論が出ないまま、中断しながら進む。
その結果、塾生は討議した内容がはっきりと記憶に残り、
各自行動へと移って行ったのである。
完成した作業より、未完成のほうが思考に働き続け、
行動に結びつきやすいためである。

仕事でも、子供の教育でも、せっかちに結論を出したり、
作業を終らせようとせず、問題を残して考える時間を与えることが必要だろう。

『やる気の健康学』知的生き方文庫


吉田松陰は、享年30歳でこの世を去ったが、
人を劇的に感化する力をもった、古今まれな偉大な教育者であった。

松陰は27歳のとき、松下村塾を開いたが、
8畳とその後増築された10畳半の小屋を改築した粗末な教室であった。

教育期間は、たったの一年。
その後の実家での教育を含めても2年半だが、塾生は約90名。

その中で世に活躍した著名な人物は、
高杉晋作、久坂玄瑞、桂小五郎、伊藤博文、山県有朋、品川弥二郎、等々

松陰の与えた討論のテーマは主に時事問題。
なぜ、清国が欧米列強の植民地になったのか。
日本は、これからどうすべきか。
自分ならどう動くか。
それは、世のため人のためになるのか。
いわゆるケーススタディだ。
昨今の、記憶する教育ではない。

その討論方法も、今流行のテレビドラマのように、
次々と場面が変わるゼイガニック方式。

何かことが起きたとき、一つの問題に集中し、
一つずつ解決していくのが理想だが、現実はそうはいかない。
現実には、新しい問題が次々と起きるから、同時並行して解決していくしかない。


教育も同じだという。
最後まで結論を出さず、次々と課題を出す。
すると、人は自分で考えざるをえない。
そして、行動する。
自分で考え、行動したことは印象に残る。

しかし、人から教えられ、記憶したものは印象に残らない。
借り物の考えだからだ。

教育は、全てを教えるのではなく、考えさせることが大事だ。

人は、自分が知っていることは、教えたくてしかたがない。
しかし、それを我慢し、そこに余韻(よいん)を残すことが大事だ。
余韻は長く続く。

教育には、余韻が必要だ。



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