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2010.3.22

説明しすぎず、教えすぎないこと

心理学者で元文化庁長官だった、
河合 隼雄(かわいはやお)氏の心に響く言葉より…

私はあるクライエントから、
「先生はなにもしない人だと思ったけど、ほんとうになにもしませんね」
と言われたことがあります。

そのとき私は「ほんまにそうやなあ」と言ったのですが、
まさにそれが私たちの原則で、
それによってその人は自分で頑張っていくわけです。

だから、クライエントからそういうことを言われたら、
私にとっては成功なのです。
クライエントがそういうことを言えるようになったこと自体、
自立してきた証拠です。

対応でもっともまずいのは、あれこれ説明することです。
あまりしつこく説明すると、
こちらのやっていることが絶対的に正しいということになってきて、
クライエントが文句を言えなくなってしまいます。

それでは自我が鍛えられていきません。
だから、相手に文句の言える余地を残しておくほうがいいわけです。
教師や親がよくやる失敗は、あまりきれいに説明しすぎることです。
これでは子どもは口で反論できませんから、
しかたなく手が出る、足が出るということになり、
校内暴力や家庭内暴力に発展するわけです。
言葉で攻撃できる余地を残すことが必要です。

『人の心はどこまでわかるか』講談社新書


心理学の大きなゴールの一つは、自立することだ。

現代の親や、教師は子どもに教えすぎる。
教えすぎるから、自分で考えようとしない
自立できない従順な子どもができる。

従順な子どもと、家庭内暴力をふるう子どもとは、
表裏一体をなしている。

「普段はあんなにいい子だったのに、
なぜ突如金属バットをふるったのか」という話はよくある。

反発の余地のないほど、説明したり説教したりすると、
子どもは反論できない。

その鬱々(うつうつ)とした気持が、
たまりにたまったとき、暴力という形で爆発する。


最高の先生は、教えない先生だ。
生徒自らのやる気を引き出し、勉強するように仕向ける。

これをやったら、次はこれ、と次々に、
本人が考える余地を残さずに教え続けると、
「ぼく(私)は次に何をやったらいいの」と、
何も考えないあやつり人形のようになってしまう。

これは、子どもだけではなく、会社の社員でも同じことが言える。
上司が次々に指示を出すと、自ら考えない社員ができる。
方向性を示すのはいいが、やり方は本人に任せるのが大事だ。

上司はむしろ、ぬけていて、ぼーっとしているくらいのほうがいい。
何でもできる秀才の上司のもとでは、部下は育たない。
上司がなんでもやってしまうからだ。

人を育てるには、忍耐がいる。
一旦任せたら、失敗するのがわかっていても、
口を出さずに見ていなければならないときもある。

上司や親は、説明しすぎず、教えすぎないことを肝に銘じなければならない。



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