2010.2.19 |
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いつく(居着く)は、死ぬる手なり |
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将棋の永世棋聖である、米長邦雄氏の心に響く言葉より…
僕が好きな宮本武蔵の「五輪書」の中に、
「いつく(居着く)は、死ぬる手なり」
という言葉があるんです。
攻める、守る、退く、
そのどの状況にあっても臨機応変に対応できる
構えがなくてはならないという、
剣の極意を説いた言葉で、
常に変化に対応せねばならない
という教訓です。
武蔵は変化しなければ死とまで言い切っています。
言い換えると、変化していくところに運がある。
『幸運の女神が微笑む人の条件』
致知・2010年3月号の対談より
居着くとは、そこに安住してしまうこと。
人は誰しも心地よさを求め、安定し、安住することを望む。
「流れない水は腐る」という言葉がある。
何年も、同じ組織、
同じ商品、同じやり方だったら、
会社の腐敗が始まり、存続の危機におちいる。
自ら望んで、危うい道や、
不安定な道を行く人はいないが、
あえて自分を、危険な方向、
損な道に追い込むことも必要だ。
自ら変化しなければ、
やがては、まわりから変化を突きつけられ、
退場を余儀なくされる。
攻めるとき、守るとき、退くとき、
どんな局面でも対応できるよう、
心を練っておかなければならない。
変化とは、攻めながら守り、
退きながら攻めるという、自在の技だ。
自在の変化には、機知が必要だ。
機知とは、機転や、
その場のとっさの対応であり、
ウイットや笑いのことでもある。
危機に陥(おちい)れば陥るほど、
自らを笑い飛ばせるような、余裕が必要だ。
一つところに居着かず、変化し、運をつかみたい。 |
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