2010.2.16 |
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すっぱいぶどう |
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イソップ童話に、
「すっぱいぶどう」という話がある…
きつねが、山を歩いていると、
おいしそうなぶどうが、すずなりになっていた。
お腹をすかせていたので、ぶどうを取ろうと、飛び上がったり、
背伸びしたのだが、一つもとることができなかった。
きつねはがっかりして、
「きっと、このぶどうは酸(す)っぱくて、まずいに違いない」
と捨て台詞(ぜりふ)を残し、行ってしまった。
『イソップ童話』より
どうしても手に入れたいと思っていたものが、
手に入らなかったとき、人は、くやしくて残念な気持ちを
自己正当化(合理化)する。
手に入らなかったものを、低く見たり、けなしたり、
価値がないもの、と考える傾向がある。
できなかったことを、
自分に都合のいい言い訳で、あきらめる。
英語では、「Sour Grapes」(サワーグレープス)は
「負け惜しみ」という意味にもなっている。
強がりを言い、虚勢をはる人は、
現実を認めたくない人だ。
自分の知り合いが成功したのを見て、
「昔、あいつはたいしたことなかった、
いつか必ず失敗するさ」
と、他人の成功を正当に評価しない。
望んだ高校や大学などへ入れなかったとき、
「もともと、あの学校は好きではなかった」など、
ほんとうは、
自分の勉強が足りなかったことを棚にあげ、
入れなかったことを正当化する。
苦しい現実はなるべく見たくない。
避けて通り、できれば忘れたい。
しかし、現実が厳しければ厳しいほど、
それを直視しなければ、前へ進むことはできない。
発憤(はっぷん)は、行動を変える起爆剤だが、
現実から逃げていては、発憤もできない。
負け惜しみをいわず、現実を直視したい。 |
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