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2010.1.29

勝海舟の人生訓

勝海舟の人生訓の中から、素敵な言葉を…

十三代将軍徳川家定の夫人であった、
天璋院(てんしょういん)篤姫(あつひめ)と
第十四代将軍家茂(いえもち)の妻、和宮は、
仲が悪く、すさまじい確執があった。

それは、多分におつきの老女たちのせいだった。

双方が張り合うため、幕府の入費がかかってしまい、
「これでは、幕府は大奥からつぶれる」
とも言われた。

それで、ほとほと困り、勝海舟に天璋院の係を頼んだという。

勝は、子供の頃、
十二代将軍の子供の遊び相手として、
大奥にいたことがあったから、内情はよく知っていた。

勝がやったことは、破天荒にも、
天璋院を自分の姉だと言って、
城の外へと連れ歩くことだった。

退屈していた天璋院は、
この試みに手を打って喜んだという。

料理屋へも、吉原へも、芸者屋にも、行って
どんどん下情(かじょう)を見せた。

勝の目的は、
民衆がいったいどういう生活をしているのか、
ということを自分の目で見ろ、ということだった。

店へ入り、店先の火鉢に鉄びんがかかって
湯がわいているのを見て、
城では銀製しか知らなかった天璋院はおおいに驚いた。

その結果、数日たつと、
大奥のすべてを鉄びんに変えてしまったそうだ。

あるときは、料理屋での食事のあと、
風呂に入ってもらった。

風呂から上がってでてくると、
そこに木綿の浴衣が用意されていた。

絹の着物しか着たことがない天璋院は、
肌にべたつかない木綿が気に入り、
大奥に戻ると、木綿に順次変えていったという。

そのうちに、生活改善が面白くなった天璋院は、
和宮にもそれをすすめ、やがて両者は仲良くなったという。

ついには、
自ら縫い物までするようになり、
勝に縫った羽織をくれたという。

かくして、大奥の贅沢は収まった。
『勝海舟の人生訓』童門冬ニ・PHP文庫より抜粋引用

あの天璋院を、外に連れ出したというのは、
実に驚嘆する事実だ。

おつきの人ならおそらく、
全員が反対するような、リスクが大きい行為だ。

これは、勝が剣の達人で、同時に禅で心胆を練り上げた、
腹の据わった人物だからこそできたことだろう。

何しろ、時の将軍の夫人を姉と偽って連れまわしたのだから。

結果として、天璋院に少しも意見することなく、
自ら贅沢をやめ、行動を改めるようにさせてしまった。

しかも、自分より身分の上の人を。

どんなにいい意見を言っても、
行動を変える気がない人は一つも聞かない。

本人がその気にならなければ、動かないからだ。

我々は、上から押さえつけたり、
強圧的に言うのではなく、
本人が面白がり、自ら気づくような
粋で大胆な策を考えることが必要だ。

その結果、本人が目覚め、
行動を変えるようになったら、こんな素敵なことはない。



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