2010.1.25 |
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良寛和尚の教え |
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良寛和尚と親交のあった
解良栄重(けらよししげ)という人が
江戸時代に良寛和尚の逸話をまとめた
『良寛禅師奇話』を記しています。
その中の心に響く言葉から…
良寛和尚が解良栄重の家に宿泊したときのこと。
良寛和尚が家にいるだけで、
上の者も下の者も、そこにいるすべての人たちが
和やかで温かな雰囲気に満たされたそうです。
そして、良寛和尚が帰ってからも、
その雰囲気はしばらく続きました。
良寛和尚は宿泊中に、
説教をすることも、道徳を説くことも、
悟りを語ることもありませんでした。
ときおり台所で焚き火をしたり、
座禅をしたりして、ただゆっくりとしていただけ。
それでも、良寛和尚が身にまとった
和やかな雰囲気から、
人々は自然に教え導かれたのです。
『もうひとつの幸せ論』小林正観・ダイヤモンド社より
良寛さんはそこにいるだけで、
まわりが和やかで、温かい雰囲気になったという。
大きな声で説き伏せるわけでもなく、
教義や、哲学を押し付けるわけでもない。
まさに、洒落(しゃらく)の心持ちだ。
洒落とは、徳がそなわった人が
必然的に持っている資質。
そこに、その人がいるだけで
春の風がふくように、人の心が自然と温かくなる。
良寛和尚こそ、まさに洒落の人だ。 |
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