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2010.1.17

福の神になった少年、仙台四郎

仙台四郎という少年は、福の神と呼ばれた。

「しろばか(四郎馬鹿)」と言われたりもしたが、
子供が好きで、いつもニコニコとしていた。

四郎は、ぼうず頭で、
体は人並み以上に大きかったが、
どういうわけか、生まれつき知恵がおくれていて、
大きくなっても幼児のようにしか
話せないし、文字なども読めなかった。

四郎は、毎日、
自分の家から歩いて30分くらいの町なかへ、
キク丸と名づけた小さな捨て犬と一緒に出かけた。

そして、商店の店先にある水桶の水をまいたり、
ほうきで掃(は)いたりする。

店によっては、小遣いをくれたり、
ご飯をご馳走してくれるところもあった。

手伝いをしようとしても、追っぱられることもあった。

四郎は自分を歓迎してくれる店と、
そうでない店を、直感的に見分けることができ、
気の進まない店には、よりつかなかった。

母親は早くして亡くなったが、
「にんじんにはにんじんのよさ。
大根には大根のよさ。
ごぼんにはごぼんのよさがありすでのう」
と優しく言って、四郎があちこちで悪さをしたり、
ばかなまねをしても、一度もたたいたり
なじったりはしなかった。

不思議なことに、
四郎がよく立ち寄る店は繁盛し、
そうでない店は商売がうまくいかなかった。

やがてそれが、人々のうわさになり、
「しろばかは福の神だ」
と言われるようになった。

すると、四郎がキク丸をつれて町を歩くと、
今まで、追い払っていた店からも、
手のひらを返したように、声がかかりはじめた。

わざと目に付くように
店の前にほうきをたてかけておいたり、
おけに水をくんでおいたりする店さえ出始めた。
『福の神になった少年』丘修三・校正出版社より抜粋引用

仙台四郎は実在の人物で、明治時代に
仙台の鉄砲職人の家に生まれたという。

四郎が店先を掃いたり、水をまいても、
そんなにきちっとした仕事はできなかった。

それでも、
それを温かく見守った店には
利害や損得を超えた、思いやりや、
おおらかな優しさがあった。

その姿勢が、店を繁盛させた。

利や損得で動く店は、ギスギスとした、冷たさが残る。

直感で動く四郎には、そのことがよくわかった。

人も、店も、商品も、最後は好き嫌いといった「情」で動く。

理屈や理論を磨くのではなく、思いやりや、温かさと言う、
心の内面を磨くことが、今は特に大事な時代だ。

心を磨き、仙台四郎に選ばれるような、
人や店になれば、不況も怖くない。



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