2010.1.6 |
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こども論語塾 |
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子曰(しのたま)わく
「故(ふる)きを温(たず)ねて
新しきを知れば、以(も)って
師と為(な)るべし。」
『孔子先生がおっしゃった。
昔の人の教えや過去のことについて学習し、
そこから新しい考え方や取り組み方を見つけられれば、
人を教える先生となることができる。』
《昔の人の教えを大切にする》
「昔のできごとや、昔の人の考えをよく知り、
それを毎日の過ごし方に役立てましょう。
昔と今、古いものと新しいもの、
それぞれによい所がありますね。
よい先生とは、その両方が、
よくわかっている人をいいます。」
『こども論語塾』その1・(安岡定子)明治書院より
この本には、普通の解説と、
子供が読んでもわかるような、やさしい解説の二つが書いてある。
著者の安岡定子さんは、安岡正篤師の次男正泰氏の長女だ。
この本の冒頭にはこうある。
「日本人は昔から、素読(そどく)といって、
先生が声高らかに読まれる通りに、
こどもも声に出して読み上げました。
意味はまだよくわからない点があったとしても、
くり返し読んでいくうちに、だんだんと、
その意味の素晴らしさに、
引きつけられていったものです。」
明治維新に、綺羅星(きらぼし)のごとく
出現した指導者たちには、
古典の素養があったからこそ、
人物たりえたと言われる。
また当時、
欧米列強の先進文明からは著しく遅れていたが、
彼らに対し、少しも臆(おく)することなく、
堂々と振舞えたのも、
古典の英知を身につけていたからこそであった。
いつの世も、様々な問題や変化が起きるが、
その答えは常に歴史の中にある。
古典を、現代に置き換え、
そこに自分なりの新しい考えや
やり方を付け加えることができれば、
人に教えることができる、と孔子先生は言う。
ふるきをたずね、新しきを知るという、
温故知新(おんこちしん)こそが、難問をも解決する。
そして、古典を知れば知るほど、
そこにはくめども尽きぬ、味わい深い泉がわいている。
昨今は、素読を取り入れる学校が増えていると聞く。
先の見えない、今この時代こそ、古典の勉強が必要だ。
我々も、小学生に負けないよう、素読を楽しみたい。 |
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