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2009.12.23

千年もつ釘(くぎ)

最後の宮大工であり、技術の人間国宝と言われる、松浦 昭次氏の
心に響く言葉より

鉄の釘も昔の釘のほうがいいから、
作ってくれる職人が必要です。
釘は金物屋に行けばいくらでもありますが、
今の釘は使えないんですよ。

釘を使う当初の強度面では大丈夫なのですが、
いかんせん、もちが悪い。
もってもせいぜい五十年でしょう。
百年もったという例がない。
その前にみんなボロボロに錆(さ)びてしまう。

しかし、昔の釘なら五百年でも、千年でも、もつ。
その実例もたくさんある。
それが「和釘(わくぎ)」と言われる釘です。
だから文化財にはどうしても和釘がいるんです。

和釘はふいごで炭を吹いて溶かした鉄を、
何度も鍛えて釘にしています。
軸(じく)の形は角張(かくば)っていて
角釘(かくくぎ)とも言います。

この和釘に含まれている不純物は
今の釘よりも多いのです。
しかし、和釘の耐久性は
今の釘よりもはるかにすぐれている。

見た目はどちらも鉄なのですが、
たいへんな違いがあるのです。

『宮大工千年の知恵』祥伝社

さらに、松浦氏は…

『中世までの釘は特にいい、
錆びもなくて、抜いたものをまた使えるが、
明治になって、海外から溶鉱炉で溶かした鉄が入ってきて、
その鉄から作った釘、
いわゆる洋釘(ようくぎ)が出てくると、全然駄目だ。

洋釘の丸釘は打っても
すぐに錆びてしまって抜けないが、
和釘は簡単に抜けるし錆びがない。
粘(ねば)りが違う。

電動工具の「鉄砲」打ち込んだ釘は抜けやすいが、
人間の手で打ち込んだ釘はゆるまない』 

…といいます。

釘を人間という言葉に置き換えると、
まったく同じことが言える気がします。

鍛えられてない人間は、粘りがない。
見てくれがよいが芯がない人は、
当初はいいが、やがてゆるみや、錆びが出てくる。

純粋で、真面目一本やりの人は、
何か事があったときに、駄目になりやすい。
しかし、若いとき、大失敗したり、道楽をしたり、
無茶をしたりという、不純物を持っている人間は強い。

個性という角を持っている人は、
人生もまっすぐには行かないが、
その代わり、何かに打ち込んだら、
粘りがあってあきらめない。

我々も、昔の和釘のように、
何百年と残る仕事ができたら幸せです。



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