2009.11.16 |
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尊敬する人を持つこと |
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致知出版の社長、藤尾秀昭氏の講演を聞いた
その中の心に響いた言葉から…
服部料理学校の服部先生のデーターだそうだが
世界20カ国の中学3年生に
「先生を尊敬しているか」というアンケート調査をしたそうだ
一位は韓国で84.7%
教育が荒廃していると思われるアメリカは82.2%で二位
三位は中国で80.5%、EUの平均は82.2%だという
しかし、日本は21%というダントツの最下位の20位
しかも、下から2番目の19位の国は、70%台だという
50%以下だったら教育が成り立たない、といわれる
今、日本人は誰かを尊敬するという習慣が必要だ
尊敬する人が現れれば、心に太陽を持つことできる
そうなったとき初めて、志を持つことができる
尊敬する人を持つことは、人として一番大切なことだ
将棋の米永邦雄永世棋聖が
50才になったとき
子供のような棋士にコロコロ負けてしまう時期があった
それで、不思議に思って、その天才のような棋士の家庭を
訪問したそうだ
それらの家庭には、あることが共通していた
それは、「奥さんがご主人を尊敬している」ことだ
尊敬がない家庭は、あるところまで才能は伸びるが
それ以上は絶対に伸びないこともわかった
『藤尾秀昭氏講演会より』
森信三先生の有名な言葉から…
《しつけの三原則》
一、朝必ず、親に挨拶をする子にすること
一、親に呼ばれたら必ず、「ハイ」とハッキリ返事のできる子にすること
一、ハキモノを脱いだら、必ずそろえ、席を立ったら、必ずイスを入れる子にすること
このコツは、母親自身が、
ご主人に対して朝の挨拶をハッキリするようにし、
また、ご主人から呼ばれたら、
必ず「ハイ」とはっきりした返事をするように努力をすること
この「ハイ」という一語によって、その人は、「我」を捨てるわけです。
つまりそれまでの意地や張りの一切を投げ捨てるわけです。
同時に、それによって当の本人はもとより、
一家の人びとの雰囲気までが変わりだす
昔、登校拒否の中学生をもって
困りぬいたお母さんから相談を受けたんですが、
その解決法はただ一つあるだけで、
それは明日からあなたがご主人によく透る声で
「ハイ」と返事をされることですといった。
その人はその通りしたんでしょう、
その子どもはその後11日目にはもう登校しだしたとのことでした。
『現代の覚者たち』致知出版より
誰かを尊敬している、という人がほんとうに少なくなってしまった
それは、一つには尊敬される側にも問題がある
知識や技術だけの勉強をしてきて、人間の徳性を磨く
人間学をやってこなかったからだ
いくら知識があっても、徳がなければ尊敬はされない
明治維新を成し遂げた志士たちは
20歳、30歳台の道半ばで亡くなってしまったが
考えられないような偉業を成し遂げた
それは全員が、若くして古典の素養を持ち、
そのことにより、徳を身につけ、人物を磨いていたからだ
また、もう一つの問題は尊敬する側にもある
戦後、物心ついた時から、家庭内や、社会に出て、
「ハイ」という返事をしてこなかった人がほとんどだ
日本古来の良い習慣が、戦後の教育によって破壊されてしまった
かくして、「主人」という言葉は死語となり
友達感覚の夫と妻
友達感覚の親と子
友達感覚の先生と生徒が増え
尊敬という言葉も消えた
「ハイ」という言葉は自分の「我がまま」を抑える言葉であり
反抗や、反発や、ふてくされることや、拒否することを抑える言葉だ
「ハイ」は素直になるための言葉であり
「おかげさま」という、感謝の心を育む言葉だ
我々は、もう一度初心にかえり
どんな時でもはっきりと、透き通るような声で
「ハイ」と言えるよう訓練し
片や、尊敬されるにふさわしい人物となるために
大いなる志を持ち、いくつになっても勉強し
徳を積む努力が必要だ |
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