2009.11.2 |
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橋本佐内の「啓発録」 |
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「啓発録(けいはつろく)」とは
26歳という若さで「安政の大獄」に殉(じゅん)じた
幕末の志士・橋本佐内が
13歳から発起(ほっき)して15歳のときに書いた文章
【稚心を去る】(去稚心)
稚心(ちしん)とは、をさな心と云ふ事にて、俗にいふわらびしきことなり。
(中略)
十三四にも成り、学問に志し候上にて、この心毛ほどにても残り是れ有る時は、
何事も上達致(じょうたついた)さず、とても天下の大豪傑と成る事は叶はぬ物にて候。
稚心とは、おさな心、すなわち子供じみた心のことである
十三四歳に成長しみずから学問に志す年齢になって
この心がほんの少しでも残っていたら、何をしても決して上達せず
将来天下第一等の大人物となることはできない
あの大西郷にして後年
「我、先輩においては藤田東湖に服し、同輩においては橋本佐内に服す」と言わしめ
左内の思想に影響された坂本龍馬が
新政府のあり方を示した
「船中八策(せんちゅうはっさく)」を書いた
『君よ、志を持っていきてみないか』
(橋本佐内『啓発録』を読む)
石川洋・致知出版より
たった15歳で書き上げた、啓発録
そして、若干26歳で亡くなりながら
幕末、明治に大きな影響を与えた橋本佐内
昨今(さっこん)は若者のみならず
いい年をした大人までもが、あまりに幼すぎる
先日、新幹線に乗ったときのこと
3人掛けの椅子を向かい合わせにして
6人が座れるところを2人で座っている夫婦を見た
足を前の椅子に投げ出し
周りがほぼ満席近くなっているにも関わらず
平気で座っている
それも、60歳は超えている、一見すると品のよさそうな夫婦がだ
自分のゴミは座席に置きっぱなしにしないで、ゴミ箱に入れる
倒した座席は、元に戻す
必要以上に席を占有しない
などは、躾(しつけ)の基本だ
森信三先生の言葉に、しつけの三原則がある
一、朝、必ず親に挨拶をする子にすること
一、親に呼ばれたら必ず、「ハイ」とハッキリ返事のできる子にすること
一、ハキモノを脱いだら、必ずそろえ、席を立ったら、必ずイスを入れる子にすること
かつては、日本にもわずか15歳にして
立派な志を立て、国のいしずえとなった若者がいた
現代は、難しい哲学や経営論をやるよりも先に
まず、この「しつけ」の三原則を徹底し
自らの「おさな心」をとる修行が必要ではないか |
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