2009.10.24 |
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恩送り |
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平野秀典さんの公演を聴いた
平野さんのは講演ではなく公演という
演劇の出身だからだ
「恩送(おんおく)り」の話が心に残った
恩をもらい、恩を返すことを「恩返し」
恩をもらったのに知らんぷりをする人を「恩知らず」
もらった恩を、もらった人ではなく他の人へ
送っていくことを「恩送り」という
これは江戸時代には日常的に使われていた言葉だ
恩をもらった人がこの世から旅立ってしまって
恩を返せない場合も、恩送りならできる
(「世界に一つだけのギフト」公演会より)
阪神大震災の時に
がれきに埋もれてしまった状態になった時
見ず知らずの方に助けられた経験があった人がいた
受けた恩を何とか返したい
でも何処のどなたかも分からない
ならば別の人に送ることでありがとうを伝えよう
と活動している人がいる
また、アメリカの話だが
かつて、バージニア工科大学銃乱射事件が起きた時
ある老教授が、とっさに教室入り口のドアをひとりで押さえ
犯人の侵入を阻止した
そのすきに学生たちに窓から逃げるように言った
その後、ドア越しに犯人が銃を発砲し教授は亡くなってしまった
しかし、その教授のおかげで
その教室にいた学生たちは無事逃げることができた
その老教授はユダヤ人で
かつてのホロコーストを生き延びた人だった
自分がそういう悲惨な体験をした人だから
かつての自分や家族のように
大量殺戮(さつりく)されそうになっている
若い学生たちを目の前に見て
とっさに何としても救いたくなったのではないだろうか
(ウィキペディアより)
色々な状況で
恩を返せないことがある
財布を落としたとき
拾った人が名前も告げずに届けてくれた
自転車で転んだとき
通りすがりの人が助けてくれた
雑踏で、持っていたかばんを落としてしまい
散らばった貴重品を大勢の人が拾ってくれた
大きな荷物を持っていたら
お店のドアをずっと、あけて待っていてくれた
親から受けた恩
親戚から受けた恩
先生から受けた恩
友達や先輩から受けた恩
見ず知らずの人から受けた恩
我々は
たくさんの人たちから受けた恩を返せているだろうか
大きな恩も小さな恩もある
どんな恩であろうと
受けた恩は誰かに返したい
「恩送り」
大切にしたい言葉だ |
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