2009.10.8 心ここに在（あ）らざれば 中国の四書五経の一つ「大学」の中にある一節 心ここに在（あ）らざれば 視（み）れども見えず 聴（き）けども聞こえず 食（く）らいてその味を知らず 心ここに在らずの状態の時には どんなにいい本を読んでも目に入らない どんな名画を見ても記憶に残らない どんなにいい話を聞いても耳に入らない いいレストランで美味しい食事をしても 何を食べたか覚えてもいない 上の空の状態だ 夜半、自分が寝ているうちに 何かの拍子に息が止まることがあるかもしれない 寝ている時には何をされても文句もいえない もし、殺されたとしても、気が付いたときは あの世だからだ だから、次の日に必ず生きて起きる保証はない 「人は毎晩死んで、そして生き返る」 という 毎日、毎晩、 生まれ変わりを経験するのだ 毎日奇跡が起きているともいう 明日死ぬかもしれないと思ったら 今日一日は本当に大切な一日 明日は、二度と同じものを見ることはできないし 聞くことはできず、食べることもできない それが分かったとき 全てのことは 体や心に沁（し）みわたり 「ハッと」深く気づき ストンと心に落ちる この今をイキイキと真剣に生き 楽しみ、慈しむことができない人は 心ここに在らずの生き方になってしまう 禅の言葉に 「今ここ」がある 即今（そっこん）ともいう 明日はもう二度とないのだという気持ちで 即今を生きたい 人の心に灯をともす　一覧へ戻る