2009.9.26 |
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野鴨の教え |
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コンピューターのIBMには有名な「野鴨(のがも)の教え」がある
デンマークのジーランド地方の古城を映す湖には毎年鴨が飛んでくる
そこには餌をいつも用意して待っていた老人がいた
いつしか鴨たちは食べ物に恵まれて
次の湖へ飛び立つ必要がないと思い、そこに住み着いてしまった
しかしある年、その老人が死んだ
餌をもらえない鴨たちは、自分で餌をさがし、次の湖へ飛び立たねばならない
しかし飛べない
なぜなら、野生を無くしてしまった鴨たちは
まるでアヒルのように肥え、はばたいても飛べなくなっていたのだ
あの何千キロにもわたって飛べる鴨が…
そして、そのとき
春の雪解けの濁流が湖に流れこんできた
なすすべもなく押しながされてしまった鴨たちは
全部死に絶えてしまった
これが実存哲学者のキェルケゴールの「野鴨の教え」だ
この話に衝撃を受け「ワイルドダックス」を合言葉に
成功した経営者がIBMの創業者トーマス・ワトソンだ
(行徳哲男)
そして、この警鐘をならしたIBMのパソコン部門は
皮肉なことに何年か前に中国の会社に買収されてしまった
毎日の決まった仕事に慣れてくると
緊張感や危機感がなくなりミスをする
それが、何日も続き、誰もがその慣れに気付かなくなると
会社の崩壊が始まる
流れない水は腐る
という言葉があるが、水でさえ、淀(よど)むと腐る
餌をとる努力や緊張感があるから
鴨は鴨でいられる
我々も、ぬくぬくとした生活に慣れ
野生を失ったら、あっというまに
濁流に飲み込まれ死に絶える
色々な
試練も
困難も
あるからこそ真剣になり、流されずいられる
野生をなくしてしまったら
人間も飛び立てない
野鴨たれ! |
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