2009.8.28 |
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深沈厚重(しんちんこうじゅう) |
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人物について
中国明代の儒学者である呂新吾(ろしんご)が名著『呻吟語』で語っている
深沈厚重(しんちんこうじゅう) 是第一等素質
磊落豪遊(らいらくごうゆう) 是第二等素質
聡明才弁(そうめいさいべん) 是第三等素質
第一等の人物は、深沈厚重
どっしりと落ち着いて深みのある人物
細事にこだわらない豪放な人物は第二等
頭が切れて弁の立つ人物は第三等である
(安岡正篤)
才気走って、ペラペラと弁の立つ人は信用がない
頭の良さをひけらかす輩(やから)も胡散臭(うさんくさ)い
豪放磊落(ごうほうらいらく)な人物は、まだまだ危なっかしくて駄目だ、という
第一等の人物の深沈厚重とは
さっき会ったのにまた会いたい
と思わせるような余韻の残る人だ
厚みのある温かさは人を惹(ひ)きつける
どっしりとして重みのある発言は、人を安心させる
沈(しず)みとは
岩(巌・いわお)のことであり沈子と書く
石の錨(いかり)のことであり
錘(おもり)のことでもある
錘(おもり)がなければ浮かび上がってしまう
人も同じで浮(うわ)つき、浮き足立った人間は誰も相手にはしない
我々は往々にして
世間で目立つ、聡明才弁の士や
磊落豪遊の人を評価してしまうが
本当は
目立たない深沈厚重こそを目指すべき生き方としたい
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